食育

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2008年11月03日 22:54

先日、平山小学校で「咀嚼と健康」と言うことで話をしたことは書きました。

その時の要旨のアップです。

きちんと噛めるということは、健康に大きく関わっています。
「食育」とは、食に対する教育ですのことですが
この食べると言う行為は、歯科学と密接な関係にあります。
特に近年は、噛むことの重要性が叫ばれています。

あまり日常で、考えながら食べることはないと思いますが、
この噛んで食べると言う機能はとても大切です。

噛むという機能は、生まれたときから完成している機能ではなく、後天的に発達する機能です。
やわらかいものばかり食べたり、よく噛まないで飲み込むように食べる習慣をつけてしまうと、
口・顎・顔面等のきちんとした発達にも影響を与えてしまいます。
現代人の1回の食事は、弥生時代と比較して咀嚼回数が6分の1以下、食事時間も5分の1になっています。戦前(70~100年前)と比べても2分に1に激減しています。

そのため、噛まなくなることにより、
口の周りの骨(顎骨)や筋肉(咀嚼筋や口周囲筋)の発達が鈍くなります。
歯の大きさはあまり変化がないのにかかわらず、
顎のみが小さくなり、歯と顎の間に不調和が生じるため、
不正咬合の現代人が増えてきたというわけです。
このように軟食文化の蔓延が、よく噛まないで食事する習慣を生み出し、
不正咬合の増加に拍車をかけているのです。

子供の歯並びは親の歯並びと似ており、遺伝も歯並びに影響を与えますが、
その一方で、生まれてからの環境も大きく影響しているtのです。
顎が小さくなると必然的に歯が生える隙間が足りなくなる叢生という状態になり
今の子供の多くがこの叢生になる危険があったり、実際叢生になっている子が増えています。
歯並びが悪いと、より噛みにくくなり悪循環を生み出してしまいます。

良く噛むことは歯を丈夫にし、歯並びをよくするだけでなく、顔の骨や筋肉を発達させ、身体全体の発育や脳の発達にも影響します。
そのため、学童期では良く噛んで食べることが大切です。
『咀嚼』することは『歯』だけの問題ではありません。顎・頬・唇・舌の正しい動きを習得して、『食べられる口』を作ることが大切なのです。

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