たまりば

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2007年09月17日

怒る富士

先日、久しぶりに本を熟読しました
文春文庫の怒る富士(著:新田次郎)という
上下2巻の文庫本で、

江戸時代の宝永4年(1707年)に起きた富士山噴火の際の、農民の被害、幕府の危機管理と派閥争い、その狭間で苦悶する関東郡代伊奈忠順の話です。
怒る富士

富士噴火により、須走村は1丈あまり(約3メートル)それ以外でも3尺から4尺もの火山灰が積もる甚大な被害が起きましたが、あまりの被害の大きさに幕府は「亡所:年貢は取らないが、見捨てるから自由にしなさい」という処置を採りました。
ただ、土地とともに生きる農民にとって見れば、「餓死して死ね!」と同義語でした。
これが、政争に利用され適切な対処を採らないまま、そこに住む農民は餓え死を待つところ、
関東郡代伊奈忠順はお上に何度も嘆願したが、十分な援助を得られず、最終的には許可を得ずに幕府米五千俵を秘かに農民に与え、その責任を取って自害する。

「事件は現場で起きている!」というように、上の者の危機対策がきちんとできなければ
被害者はいつまでも被害者であるということです。
今も、天災が起きると総理や大臣が現地に行くことはありますが、上面だけ見るパフォーマンスのように
思えることもあります。

さすが「新田次郎」というように文書は達者であり
、古文書等をちりばめており非常に読みごたえのある一冊でした。

これ以降今まで富士山噴火は、起こっていません。
今まで、2~300年おきに噴火していたのですから、
近々起きても不思議ではありませんが、
今日も富士山は穏やかです。





  • Posted by 23  at 09:25 │Comments(0)

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