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2008年06月09日

歯の衛生週間シリーズ―最終回―

歯の衛生週間シリーズも今日が最終回です。

むし歯の治療は、ある種特殊性があります。
これは、患者さんが治療を歯科医院で受けるのみでは治せないということです。

むし歯や歯周病は、生活習慣病の側面があり、
自分自身である程度コントロールしなければいけないということです。

たとえば、歯科医院でむし歯を削ってつめても
むし歯になったと思われる生活習慣を自分自身で見直さなければ再度むし歯になってしまいます。

たとえば、
正しい歯磨き習慣をつけているか、飲食の問題はないか、規則正しい生活をしているか、むし歯菌はどうなのか等をもう一度見直してみてください。
もし、見直すことができたらそれだけで虫歯のリスクは半減します。

虫歯を作らないように予防する場合、
私たち歯科医師や歯科衛生士は、患者さん自身で予防するためのアドバイスしたり
虫歯予防を手伝うこと、虫歯の状態を監視することはできます。
しかし、患者さんに代わって毎日、虫歯の予防することはできません。
また、私たち歯科医師や歯科衛生士はできた虫歯の症状を治すことはできますが、
患者さんに代わって、毎日の生活の中で虫歯のリスクを軽減し、
虫歯の再発や進行を防ぐことはできません。
日常生活を改善し、虫歯の再発や進行を止めるのは患者さん自身なのです。


虫歯予防で大切なことは、自分の口の中の状態を把握し、
それに対しリスクを軽減するために日常生活を見直して注意することが大切なのです。
  


  • Posted by 23  at 01:06Comments(0)おくちのこと

    2008年06月06日

    歯の衛生週間シリーズ5

    第5回目は「フッ化物」です。

    むし歯の予防のひとつの方法として「フッ化物」の応用があります。


    なぜフッ化物が虫歯予防に効果があるかというと
    ①耐酸性の向上
    エナメル質の結晶構造(ハイドロキシアパタイト)がフルオロアパタイトという酸に強い結晶構造になり、強い歯質をもたらします。
    ②再石灰化促進
    カルシウムやリン酸が歯に再付着し、エナメル質の初期のむし歯を回復する働きを助けます。
    ③抗菌・抗酵素作用
    細菌(むし歯の原因のばい菌)の出す酵素を抑制し、歯を溶かす酸の生成を抑制したり、抗菌作用を示します。
    などがあげられます。

    使用手段としては

    ホームケア・・・・家庭でおこなう方法
              フッ素入り歯みがき粉
              フッ化物洗口剤による洗口
              フッ化物入りスプレー
              フッ化物ジェル
    プロフェッショナルケア・・・・歯科医院でおこなう方法
              フッ化物の塗布
              フッ化物バーニッシュ
              
              
    これらを、むし歯のリスクの程度によって単独または複数使用します。

    ここで注意しなければいけないことは、フッ化物の応用はそれのみで予防できるのではなく
    歯みがきや食生活の注意などを守ることにより効果が発揮できるということです。
    フッ化物を利用しただけで、歯みがきなどを疎かにすると予防効果は得られないと思ってください。






              
                
    タグ :フッ化物


  • Posted by 23  at 23:48Comments(0)おくちのこと

    2008年06月05日

    歯の衛生週間シリーズ4

    今日は、4回目で「歯周病と全身疾患」です。

    歯周病がいろいろな全身の病気を引き起こしたり
    悪化させたるすることがわかってきています。

    岡山大学

    今まで、多くの方が歯周病が単に歯肉の病気と思っていられたと思います。
    しかし、歯周病という炎症性疾患によって産生される物質や細菌そのものによって
    いろいろな悪影響を起こしてしまいます。

    お年寄りや障害のお持ちの方は、嚥下機能が弱くなっているかたもおられます。
    そんな場合、食道ではなく気管に誤って入ってしまい、
    歯周病の原因菌が肺や気管支に感染して肺炎を起こしてしまうことがあります。(誤嚥性肺炎)
    お口の中の環境が悪いとその危険が高まってしまいます。
    そのため、日ごろより口腔内を健康に保つことが大切です。
    もしも、寝たきりや身体が不自由になった場合も、家族の協力と
    歯科医師や歯科衛生士による口腔ケアをうけてお口の健康を維持できるようにしましょう。

    妊娠すると女性ホルモンの変化やつわりや偏食などにより
    口腔の環境が悪化し歯肉炎を発症しやすいことはわかっています。(妊娠性歯肉炎)
    そればかりでなく、妊娠中に歯周病に罹患していると、毒素や炎症性物質が血液中から胎盤に入り、低体重児出産や早産のリスクが高まることが明らかになっています。
    妊娠中はもとより、日ごろからきちんと歯磨きをして歯周病を予防していくことが大切です。

    心疾患は日本の3大死亡原因の1つに挙げられています。
    歯周病により歯肉が腫脹し出血しやすい環境だと、歯周病菌が血流に乗って冠動脈に感染すると
    原因菌が産生する炎症性物質や毒素が血栓を作り、動脈硬化(アテローム性動脈硬化症)を発症させる可能性が指摘されています。
    また、口腔の細菌が血流に乗り細菌性心内膜炎を起こすといわれています。

    糖尿病の方は、感染しやすく傷の治りが遅くなることもよく知られています。
    そのため、糖尿病の方は歯周病になりやすくまた治癒も遅れがちになります。
    また、歯周病菌の毒素がインスリンの働きを悪くし、血糖値を下がりにくくし、
    結果的に糖尿病の発症につながる可能性があると考えられています。

    このように、歯周病を含め口の中の細菌が全身の病気に大きく関与していることがわかっています。
    体の健康を維持するためにも、お口の健康は大切です。
    そのためにも、おうちでのセルフケア、定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアを受けることお勧めします。

      


  • Posted by 23  at 23:00Comments(0)おくちのこと

    2008年06月05日

    歯の衛生週間シリーズ3

    三回目は、「歯周炎」についてです。

    歯周炎は、歯の周囲を支えている組織が破壊されていく病気です。
    主な原因は、歯に付着しているプラークにいる歯周病誘発菌によって引き起こされます。
    この菌が産生する毒素で歯茎を腫らし、血や膿を出したり、歯の周りの骨を溶かしたりします。
    そのため、歯肉から出血したり、口臭がしたり、進行すると歯がぐらぐらしていきます。
    このように、歯周病は細菌による感染症なので、大きな原因であるプラークをきちんと除去することが
    予防の第一歩ですから、毎食後の歯みがきは重要なのです。



    この歯周病は、
    人類が誕生してから今日までで一番感染者数の多い感染症としてギネスに載っています。

    日本でも、平成11年度の歯科疾患実態調査によると、口の中に何らかの歯周病の症状がある人の割合は5~14歳の子どもですでに37%、15~24歳の若者で65%、45~54歳の中年世代では90%近くに達しています。

    ただ、若いうちは歯周病の症状らしい症状が現れにくいため見過ごされることが多く、
    年齢を重ねるに従い、症状が進行し、歯がぐらぐらしたり、物を噛んだときに痛みが出たり、歯肉が腫れるなどの自覚症状が顕著になり歯科医院に受診すると、手遅れに近い状態になっているケースも多いのです。
    できれば、歯周病の予防のために若いうちから歯科医院で定期的な健診と予防処置を受けてもらいたいと思います。

    歯周病の進行には個人差があり、
    自分の持っている免疫機能の状態、喫煙、全身疾患の有無等で大きく左右されるのです。
    特に、喫煙習慣の有無が大きく影響を与えていることがはっきりしており、
    非喫煙者に比べ喫煙者の歯周病罹患率は非常に高いことがわかっています。
    できたら、健康な歯肉を維持するためにも禁煙してもらいたいと思います。

    次回は、歯周病と全身疾患とのかかわりについて書いてみようと思います。  
    タグ :歯周病


  • Posted by 23  at 02:11Comments(0)おくちのこと

    2008年06月03日

    歯の衛生週間シリーズ2

    むし歯や歯肉炎、歯周炎を予防する1番のセルフケアはやはり「歯みがき」です。

    食事の後に磨くことは、
    口の中をすっきりさせるとともに、
    歯の表面に残る食べかすやプラーク(歯垢)を取り除く
    のに最も効果的です。

    それではいつ磨くのが効果的なのでしょう?
    本来は、食後すぐに磨くことがもっとも効果的です。
    食事の後、歯みがきをしないでいると糖分によってプラーク(歯垢)の中の細菌の活動が活発になり、酸をつくり歯を溶かします。
    この歯を溶かすことを脱灰といいますが、食後約40分間続きます。
    できる限り早く磨くことにより、この酸による歯が溶かされる時間を短くできます。


    皆さんも、毎食後すぐに磨く習慣をつけましょう。


      
    タグ :歯みがき


  • Posted by 23  at 22:08Comments(0)おくちのこと

    2008年06月02日

    歯の衛生週間シリーズ1

    今週から、歯の衛生週間が始まります。
    今週は、特別企画で「歯の健康」について書いていこうと思います。

    第1回は、「夏に向けての飲み物とむし歯」です。

    これからの時期暑くなってくるとどうしてもつめたい飲み物が欲しくなります。
    大人はビール、子供はジュースやスポーツドリンク、炭酸飲料などでしょう。

    でも気をつけなければいけないのは、飲み物に含まれる糖質とpH調整剤です。

    糖質は口の中の細菌により分解され、粘着性物質のデキストランになります。
    デキストランは、プラーク(歯垢)という歯の表面に粘着する細菌の層を作ります。
    この、細菌のうち何種類かは糖質を分解して強烈な酸を生成して歯を溶かしむし歯を作るのです。

    次に、飲み物のpHが問題になります。
    飲料のpHの酸性度がエナメル質臨界pH(5.5)より低いと、
    歯の表面は少しずつ溶かされていきます。

    市販の飲み物の多くはpHを3.0~4.0に調整してあります。
    これは、ペットボトルの飲み物の多くが500mlサイズで1 回で飲みきれないことから
    細菌の繁殖を抑えるためにこのように調整してあります。
    また、アルコールもその精製過程から酸性度が低くなり、栄養ドリンクなどもその成分から酸性度が低くなっています。
    クリックで拡大

    そんなわけで、安易にのどが渇くからとこのような飲み物を日常茶飯事に飲んでいるとむし歯の危険は非常に高まるのです。

    それではどうしたら防げるのでしょうか・・・・
    1番は飲まないことですが、なかなか難しい場合もあります。
    そんなときは、歯みがきをしたり飲んだ後に水でうがいをしてpHを改善したり、
    キシリトールなどのノンシュガーのガムを噛むことで唾液を促すことが大切です。

    歯が溶かされた初期の状態は、歯の表面が白濁します。
    心配な方は、鏡でご自身の歯を良く観察してみてください。

    もしこのような状態になっていたら、歯医者さんで再石灰化療法をおこなってもらうべきです。
    再石灰化療法とは、唾液中のカルシウムを溶かされた歯の表面に付着させる治療法です。
    初期の白濁したむし歯の場合、このような適切な処置をすれば歯を削らずに治療することが可能です。

    再石灰化療法の中身は、
    ①食生活習慣の改善
    予防のプロである歯科衛生士による歯の表面の機械的清掃(PMTC処置)
    フッ化物の定期的塗布
    CPP-APC配合MIペーストの使用
    などです。
    これらはすべて歯科医院でおこなってくれます。

    むし歯の予防は単に歯みがきをすればいいというわけではありません。
    日常生活を営む上で、少しでも注意することができればむし歯の予防につながるのです。








      


  • Posted by 23  at 00:51Comments(2)おくちのこと

    2008年05月24日

    女性の歯周病予防と乳酸菌LS1

    株式会社フレンテの事業会社である株式会社フレンテ・インターナショナル(本社:東京都板橋区/社長:小池孝)は、東海大学医学部感染症研究室 古賀泰裕教授と共同研究した乳酸菌LS1(*1)が、プレボテラ・インターメディア菌(*2)の抑制効果があることを明らかにしました。妊娠中に罹患しやすい妊娠性歯肉炎(*3)の予防、改善が期待されます。

    (*1)乳酸菌LS1(ラクトバチルス・サリバリウス TI2711)
    ヒト口腔内由来の善玉菌で、歯周病菌を抑制する働きがあります。2003年、代表的な歯周病原細菌であるポルフィロモナス・ジンジバリス菌を殺菌します。
    乳酸菌LS1について詳しく知りたい方はこちら・・


    (*2)プレボテラ・インターメディア菌
    歯周病原細菌と言われる菌の一つ。女性ホルモンによって発育が促進されます。女性ホルモンの分泌が盛んな妊娠時や思春期には爆発的に増殖し、妊娠性歯肉炎や月経周期関連歯肉炎の原因となります。

    (*3)妊娠性歯肉炎
    妊娠2~3ヶ月以降に罹患しやすく、歯茎が腫れたり出血があり、歯周炎に進行することもあります。近年では、歯周病に罹患すると、早産や低体重児出産の原因になることも指摘されています。




    以前、乳酸菌LS1については、このブログで歯周病予防に効果があることを書きましたが、4月25日に春季日本歯周病学会で女性の歯周病予防、改善に期待できると発表されました。

    妊娠時は、つわりや偏食や不規則な食事時間等で口腔内の環境が悪化するとともに、ホルモンの変化に伴い歯肉炎を起こしやすい時期です。

    歯科医院では、妊娠時のお口の環境の改善維持のため、規則正しい食生活と歯みがきで予防するように指導しますが、妊娠時はそれでなくても大変な時期です。それに追加してこの乳酸菌LS1の使用で
    簡便に予防の幅を広げることができるのではないでしょうか。

    もちろん通常の歯周炎にも、乳酸菌LS1の歯周病予防効果は認められています。

    ただ、セルフケアと定期的な検査が一番重要であることには変わりはなく、
    LS1を使用すれば他を疎かにしていいものではないのです。
    毎日、きちんとした歯みがきや食生活をした上で効果があるのです。

    乳酸菌LS1の効果についてはこちら

    乳酸菌LS1使用食品
    ●乳酸菌LS1配合タブレット  システマ歯科用 オーラルヘルスタブレット(ライオン)

    歯科医院等で販売しています。

    ●Livio(フレンテ・インターナショナル)  詳しくはこちら

    ●クリッシュ(フレンテ)  販売はこちら



      


  • Posted by 23  at 23:13Comments(0)おくちのこと

    2008年05月20日

    リスク検査の薦め

    むし歯や歯周病を予防する上で大切なことは、自分の今のお口の状態を把握することです。
    むし歯や歯周病の有無はもちろんですが、これらを引き起こす要因を知っておくことも大切です。

    たとえば、唾液の状態や量、間食回数などの食生活、歯みがきの状態やプラークの沈着状態、フッ化物の使用程度、虫歯菌や歯周病菌の数、喫煙状態やストレスの程度などなど・・・

    これらを正確に調べることにより総合的に虫歯や歯周病のかかりやすさを知り、
    対処することが大切です。


    歯磨きをしなくてもむし歯にならない人や磨いて注意していても虫歯になってしまう人がいます。
    これらは、歯みがき以外の何かしらの要因でむし歯になりやすかったりなりにくかったりします。
    注意していてもむし歯になりやすい方は一度検査を受けてみてはいかがでしょうか?

    妊娠中の方や子育て中の方は、ご自身の虫歯菌の状態を知り対処することで、
    お子さんへの虫歯菌の感染(虫歯菌の母子垂直感染)を防ぐこともできます。

    この検査は、決して難しかったり痛みを伴うことはありません。



    むし歯リスク検査や歯周病リスク検査は、
    内科の血液検査や尿検査みたいに、問診の上唾液を採取し臨床検査の会社に依頼すると
    1週間程度で結果が送付されてきます。
    当医院では、BMLという臨床検査会社に依頼しています。



      
    タグ :リスク検査


  • Posted by 23  at 08:00Comments(0)おくちのこと

    2008年05月19日

    健診?検診?

    この時期は、どこの学校でも学校健診の時期です。
    私も、学校医である日野市立平山小学校の健診を
    今日19日と来週26日の2日間かけておこないます。

    そんなわけで、今日は、健診の話を・・
    「けんしん」という漢字は、「健診」と「検診」の2つがあります。
    この違いを皆さんはご存知でしょうか。
    「健診」は、健康か否かを診査するスクリーニング的意味合いがあります。
    もうひとつの「検診」は、精密な検査して診断するという意味です。

    学校でおこなわれる学校歯科健診は、「検診」ではなく「健診」です。
    学校健診では一度に大勢の生徒さんを、
    器具や照明設備などが十分でないなかでおこなうため
    詳しい診査や診断を行うことは難しく、
    スクリーニング(大まかなふるい分け診査)としておこなわているものです。

    治療勧告書が保健室の担当教諭より発行されますが、
    健診の結果と実際歯科医院に行って精密な検査してもらったときに
    結果に違いが出ることがあり、
    また、健診担当医とかかりつけ歯科医師との若干の見解の相違が生まれる場合もあります。
    そのため、「あれ?」って不審に思われる保護者の方もおられます。

    あくまでも学校歯科健診の結果は大まかなものですので、
    かかりつけの歯医者さんに最終的に判断してもらうほうが良いと思いますし、
    もし、学校健診でむし歯がなくても定期的に歯科医院で検査してもらうほうが良いでしょう。










      
    タグ :学校健診


  • Posted by 23  at 04:45Comments(0)おくちのこと

    2008年05月10日

    妊娠・育児中の方お勧めHP

    サンスター株式会社では、
    子どもの健やかな成長をサポートする妊娠期からの母親と子どものための
    新ブランド「C&F(チャイルドアンドファミリー)」を立ち上げました。



    製品発売に伴いホームページが立ち上がりましたが、これがすごい!
    母親と乳幼児のオーラルケアについて正しい情報が、
    良くまとまって、わかりやすい内容になっています。

    妊娠中の方、赤ちゃん育児に励んでいる方必見です!!

    サンスターとはじめる赤ちゃんからの正しいお口ケア C&F

      


  • Posted by 23  at 22:56Comments(0)おくちのこと

    2008年04月28日

    若い女性の歯、退化進む!

    ニュース記事より

    「若い女性の歯のかみ合わせが悪くなり、上あごの歯の退化が進んでいる」。
    鶴見大短大歯科衛生科(横浜市鶴見区)の学生の卒業論文で、女子大生たちの歯のこんな実態が明らかになった。
    指導した後藤仁敏教授は「柔らかい食物が主流になり、上あごの咬む力が弱くなっているのが主因。幼児期によく咬む習慣をつけることが大事だ」と警告している。3月に卒業した磯川さんら6人が、3年間の研究をまとめた。20歳前後の級友女性40人を対象に歯型を採り、アンケートした。

     40人の永久歯1129本を調べた結果、歯数は人類の基本の32本はわずか5人で、最少で24本。平均28・2本は06年度より0・5本減少していた。また、かみ合わせは正常は45%で、上あごが突き出している人が35%で年々増加傾向。歯列不整は60%だった。

     さらに「咬む力」については(1)上顎側切歯(第2前歯)の矮小化が27・5%で、咬む力の退化傾向が顕著(2)一番奥の第3大臼歯だけでなく、その前の第2臼歯でも退化傾向が上あごで目立つ――ことが判明した。

     05、06年度に続く歯に関する卒論の第3弾。磯川さんは「先輩に続き、現代女性の歯の特徴を調べた。正常と思っていた歯でも、退化や異常が多いと分かり、驚いた」と話す。
     後藤教授は「歯に関心の高い学生たちでさえこの数字だから、一般女性の退化傾向はさらに進んでいるだろう。今年度も調査し、約160人の症例で学会に発表したい」と意欲を示す。(IDNニュースクリップより)

    昔、学生のとき解剖学の先生が、将来人間は前歯4本と奥歯4本しか要らなくなり、なまこみたいな口になる。
    と予言していたことを思い出します。

    確かに、卑弥呼の時代から中世、江戸時代、戦前、戦後とどんどん顎が退化し顔面の骨格も華奢になってきています。
    特に、戦前戦後の短い期間での退化は著名であるといわれています。


    患者さんでも、先天的な歯の欠如の方も昔より増えており、本当にきれいな歯並びのお子さんもあまりいません。
    逆に、顎関節症や咀嚼障害は増えてきているのが現状です。

    サプリメントや健康飲料、安全な食品がはやり、これだけ健康に気をつけている現代において、
    人間の生きるのにもっとも必要なよく咬んで食べるということが、なおざりにされているのは嘆かわしいことです。









      
    タグ :退化咬む


  • Posted by 23  at 04:11Comments(0)おくちのこと

    2008年04月15日

    音楽が聴ける子ども向け歯ブラシ

    「歯磨き面倒だな~」と思う子どもたち。
    なんとかきちんと歯磨きをさせたい保護者の方。
    こんな歯ブラシが発売されますよ!!

    これで、毎日の歯みがきが楽しくなることは請け合いです。

    歯を磨きながら音楽が聴ける歯ブラシ「Tooth Tunes」。ボタンを押してから2分間、プリセットの曲 が、ブラシを通して歯から顎に音が伝わるという仕掛です。子供に少しでも長く歯を磨いてもらうための作戦です。
    アメリカで1ヶ月で150万個も売れたということです。
    日本では、タカラトミーから販売されます。
    2008年2月発売予定でしたが、Amazonでは、発売日が5月29日になっています。
    アメリカでのCMはこちら




      


  • Posted by 23  at 23:27Comments(3)おくちのこと

    2008年04月09日

    感染の窓

    ミュータンス菌等の虫歯の原因菌は、生まれた赤ちゃんのお口の中には存在しません。 
    それが、乳歯が萌え始める生後6ヶ月頃から、口の中に現れ住み着きます。

    急に、ミュータンス菌が涌いてくることはありません。
    それでは、どこからミュータンス菌は来るのでしょう。


    ミュータンス菌は、赤ちゃんと触れ合う機会の多い家族から、
    食事中のスプーンの共有や口移し等によって、唾液を介してうつるのです。 
    主にお母さんからの感染が多いので、母子感染と呼ばれています。 

    感染の程度は、お母さんの口の中の環境によって左右されるのです。
    口の中が清潔で虫歯のないお母さんからはあまり菌が感染することがなく、
    逆に、口の中の衛生状態が悪くミュータンス菌が多いほど感染し易くなります。

    それでは、いつの時期に感染しやすいかというと、生後1才7ヶ月から3歳ぐらいの期間です。 
    この時期は「感染の窓」と呼ばれ、最も注意が必要とされています。 




    ご家族の口が健康で衛生的にしておくことが、お子さんのむし歯予防の第一歩なのです。

      


  • Posted by 23  at 21:41Comments(0)おくちのこと

    2008年03月25日

    いびき

    このごろ「いびき」がどうにかならないかとご相談される方がおられます。

    日本でいびきをかく方は2000万人おられるといわれています。
    いびきは、上気道の狭窄により出る振動音です。
    また、狭窄ではなく、気道が一時的に閉塞する場合を無呼吸症候群といい
    1000万人ほどいるといわれています。

    これらの方の場合、熟睡することができず、日中に強い睡魔に襲われたり、
    睡眠中の呼吸が乱れたり停止することにより心臓等に過大な負担を強いてしまいます。

    睡眠時無呼吸症候群やいびきの方に対し、
    歯科ではマウスピースという装置を睡眠時に装着していただくという治療を行います。



    装着された患者さんの話だとおおむね良好とおっしゃっています。

    2004年より、マウスピースが健康保険適応になりました。
    ただし、全ての方に健康保険が適応になるというわけではなく、
    まず、内科や耳鼻科で検査を受け睡眠時無呼吸症候群と診断され
    歯科に治療依頼があった場合にのみ保険治療を行えます。
    いびきのみと診断の場合は残念ですが、保険適応外になり診察や装置は自費治療となります。
      


  • Posted by 23  at 08:00Comments(0)おくちのこと

    2008年03月23日

    フェーカリス菌

    むし歯の予防のニュース。
    国立感染症研究所細菌第1部のグループと東京医科歯科大学、ビオフェルミン製薬は共同研究で、乳酸菌の一種、フェーカリス菌BIO―3B株が、虫歯の原因とされるバイオフィルム形成を阻害する効果を示すことを発見し、学会誌に発表した。同研究所などは、BIO―3B株が虫歯予防に貢献すると期待している。

    乳酸菌達は、おなかだけではなくお口の健康にもがんばってくれています。

    そういえば、わかもと製薬で「アバンビーズ」という生きた乳酸菌入りの歯磨き粉が以前より販売されています。
    これには、ラクトミンという乳酸菌仲間が入っています。

    アバンビーズはフランス語で「キスの前に」という意味だそうです。

      


  • Posted by 23  at 01:56Comments(0)おくちのこと

    2008年03月23日

    おしゃぶり裁判

    おしゃぶりで歯並びが悪くなったとして損害賠償を求めた裁判が和解したという記事が本日出ていました。

    詳しいニュース内容は、が一番詳しく書いています。

    おしゃぶりの歯並びに対する悪影響は昔から言われていたことで、
    1歳半や3歳児の健診では、必ずおしゃぶりや指しゃぶりの有無は問診される事項です。
    もししていたならば、やめるように健診の際に指導しています。

    でも、3歳10ヶ月までおしゃぶりを使用していたとは・・・・・
    ここまで、悪化するまでやめさせようと思わなかったのか・・・

    子供には、おしゃぶり影響の良し悪しはわかりません。
    おとなしくなるとか泣き止むからとかで安易に使用するのは、
    厳しく言うと大きい意味で育児放棄になりかねません。
    乳幼児にとって、泣くのにも意味があることを理解してあげないと・・・

    子育ては大変ですが、もっと親が口の健康や成長に目を向けてあげないと・・・
    ちょっと、悲しい記事です。
      


  • Posted by 23  at 00:44Comments(0)おくちのこと

    2008年03月17日

    乳歯バンク

    前に2回ほど書いた乳歯の再生医療ですが、民間初の乳歯バンクが今月中をめどに設立される予定だそうです。


    子供の乳歯から取り出した体性幹細胞(歯髄幹細胞)を保存・管理し、歯骨や皮膚などの再生医療に役立てる日本で民間初の乳歯バンクが今月中をめどに設立されることが1日分かった。

     乳歯バンクを運営するのは、バイオベンチャー企業の「乳歯幹細胞バンク」。歯髄幹細胞研究の権威である名古屋大の上田実教授の協力を得て事業化する。

     歯髄幹細胞による再生医療は、歯骨の治療やしわ取りなどの美容整形分野への応用研究が急速に進んでおり、早期の実用化が可能とみられている。一般を対象とする民間の乳歯バンクができることで、再生医療業界に弾みがつきそうだ。

     乳歯幹細胞バンクは、登録窓口となる歯科医院を提携先として組織化する。歯科医院を通じて預かった乳歯から歯髄幹細胞を取り出して、保存・管理する。そして、登録者の治療依頼を受けると、同バンクに保存していた細胞を出荷する仕組み。同バンクは、バンク登録者の登録料と保管期間に応じた管理料などで収益を確保する。登録料は期間に応じて10万円~30万円程度を予定しており、数年後の黒字化を目指す。  (産経ニュース 2008.03.02)

    さて、この登録料は果たして安いのか高いのか?・・・どうでしょうか  


  • Posted by 23  at 22:16Comments(0)おくちのこと

    2008年03月14日

    新発売のガム

    仕事で、昼に歯を磨けない人に朗報です。

    ライオンは4日、新しいチューインガムのブランド「MEDISH」を26日から全国発売すると発表した。
    歯周病や虫歯予防の成分を配合。
    歯磨きの定着率が30%と低い昼食後の利用によるオーラルケアを提唱する。

    売り場も菓子売り場ではなく、歯ブラシや歯磨き粉の販売コーナーに配置し、差別化を図る。

    新発売となるのは、歯周病菌に効く「Pタイプ」と、歯垢を分解する「Cタイプ」の2種類。

    歯ぐきにダメージを与える歯周病菌放出毒素を無毒化するタンパク質、歯垢中の糖を分解する酵素を
    それぞれ配合して、口内の健康を改善する機能性を前面に出した。

    希望小売価格は、袋入り(42グラム)が360円、ボトル入り(75グラム)が600円。
    一般的なガムと比べ、100円ほど高い価格設定とした。

     機能性ガムは、菓子大手のグリコやロッテが特定保健用食品として、菓子売り場を中心に販売している。今回、ライオンは、効能表示などで制約がある「食品」として新製品を販売する戦略をとった。

     機能性ガムを中心としたオーラルケア食品市場の規模は現在38億円だが、「歯磨きの補助効果などが認知されてきており、倍増が見込める」として、ドラッグストアなどの歯ブラシ売り場での販売を本格化させる。
                                     (3月5日8時26分配信 フジサンケイ ビジネスアイ)

      昨年地域限定で販売されたときのパッケージ

    このガムの特徴は
    菓子メーカーではなく歯ブラシや歯磨き粉を作っているライオンが発売することと、
    異なる目的のガムを2種類出した点ですね。

    Pタイプは、以前このブログでも書いたラクトフェリンが入っています。
    「ラクトフェリン」は、多くの哺乳動物の乳に含まれており、ヒトの母乳、特に出産後数日の間に多く分泌される「初乳」に最も多く含まれており、自身の免疫機能を賦活し、ウイルスや病原菌から私たちの身体を守ってくれるといわれている多機能性タンパク質で、歯周病の治療などに有効な働きをします。

    Cタイプには、デキストラナーゼというプラークを形成する多糖(デキストラン)を分解する性質を持つタンパク質です。
    そのため、むし歯や歯周病の原因となるプラークを除去してくれる働きがあります。

    必要に応じ使い分けができるのがいいですね。

      


  • Posted by 23  at 23:50Comments(0)おくちのこと

    2008年03月08日

    乳歯の再生医療

    以前、乳歯の幹細胞が再生医療に利用できる可能性があるという記事を書きましたが、
    今日の日経新聞に次のような記事が出ていました。

    名古屋大学の上田実教授と山田陽一助教らは7日、子犬の乳歯から親犬の骨の再生に成功したと発表した。乳歯から神経・骨など様々な種類の組織になる細胞を採りだし、親犬に移植したところ欠けた骨が再生できた。人間でも成功すれば、子供のころに抜けた乳歯を保存しておき、けがや病気で失われた骨や神経を再生する医療の実現につながるという。
    研究成果は13日から名古屋市で開かれる日本再生医療学会総会で発表する。
    上田教授らは昨年12月に人間の子供から乳歯の提供を受けて再生医療で活用する「乳歯バンク」を設立、臨床応用に向けた準備を進めている。
     乳歯の入れ物
    再生医療では、本当に親孝行の乳歯です。  


  • Posted by 23  at 20:12Comments(2)おくちのこと

    2008年03月05日

    怖いニュース

    中国製の冷凍餃子の問題が新聞をにぎわしていますが、歯科でも中国製品で問題がおきています。

    アメリカからの記事ですが、
    患者さんの口に装着された中国で作製されたポーセレン冠(陶材の白い歯)のブリッジに鉛が含まれており
    そのために重篤な症状を発して除去されたという記事です。

    http://www.10tv.com/live/contentbe/EPIC_shim.php?story=sites/10tv/content/pool/200802/1544047925.html

    口の中に装着されるものに有害材料を使用されていたというのは、日本では考えられないことです。

    日本で作製されるポーセレン材料は、すべて医療機器承認されていますので安心してください。

    話は別にして、近年「金属アレルギー」やその擬似的疾患が増加してきました。
    歯科では、詰めたりかぶせたりするのに多くの金属を使用しますが、その金属成分でアレルギーを起こすというものです。
    もちろん、ピアスやネックレス等でも起こしてしまいます。

    金属アレルギーは誰でもかかるというわけではありません。身につけた金属とつけている人の条件でかかります。

    ただ、アレルギーですので、一度感作されると一生といってよいくらい長い間持続してしまいます。
    そのため、金属アレルギーの治療は原因と思われる金属を除去し使用しないしかありません。

    お口の金属をはずし、非金属のセラミックやチタンのように金属アレルギーを起こしにくい金属を材料に使用するようになります。

      
    症状としては、歯肉炎や口唇炎、また舌炎などの炎症や味覚異常、歯や歯肉の変色、さらに全身の湿疹やかゆみ、掌蹠膿疱症、などの症状がでることがあります。

    もし、金属アレルギーではと心配な方は、皮膚科でパッチテストをしてもらいましょう。




      


  • Posted by 23  at 22:05Comments(0)おくちのこと